食べられないカレーの話

 夏と言えども山間部でのキャンプは冷え込みますし、あまり噛まなくても流し込めるカレーやシチーは人気のメニューでした。ただ、自転車で持ち運ぶには腐りやすくて高価な肉は敬遠されたため、いつも肉無しカレーや肉無しシチーでしたので、その代わり油性成分の補給としてチューブに入ったラードを使用していました。さて、とある秋のクラブランのことです。夕方遅くに広島県境のキャンプ場に着いた部員たちはキャンプ場の街灯の下でカレーを作っていました。と、ある男子班で一騒動が。聞いてみると食えないカレーが出来たとのことでした。汁カレーから生野菜カレーまで、色々な不出来のカレーを食べてきましたが、食べられないカレーには出会ったことは有りません。他のものも同意見だった様で、よってたかって試食しましたが私も含めて全員が、これは食べれないとの結論でした。一口で言えば「はきそう」なカレーです。察しのよい方はもうお判りと思いますが、ラードを1本まるまる入れてしまって油ギトギトのラードカレーになってました。暗い中で食べたので、食べるまで判りませんでしたが、次の日見たら、ラードの層が蓋のように析出していました。

 

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