雪の、香川徳島県境

地図

猪ノ鼻トンネル北口 S57.1.16

 

 それは昭和57年1月のこと、共通一次試験で大学が休みとなったため、同僚と一泊二日で高知の林道を攻めに行くことになった時です。冬でも高知は温いだろうといいかげんな予測の元、ツェルトとシュラフと言う軽装備で出発しました。案の定、室戸の海岸は寒かったですが寝れないほどではなく、次の日も快晴の下で林道の梯子をしていました。
 さて昼過ぎになって帰り道の林道を通ってましたら、運悪く通行止めになっており、一旦高知まで出る羽目になりました。なんとか夕暮れまでに阿波池田へたどり着いたものの、あと一歩で香川に入るという時に小雪がちらつき始めました。まあなんとかなるだろうと県境の猪ノ鼻トンネルに突入したとたん、上り車線が長蛇の渋滞。事故かなっと思ってゆっくり左端を抜けてトンネルを出たら、そこは写真のような雪国でした。峠から見おろした国道は夕方から降り始めた雪でシャーベット国道と化しており、ヘッドライトだけが長蛇の列となって急坂の国道を照らしております。
 撤退するわけも行かず強行突破ですが、夕暮れで路面の状態が良くわかりませんので、とりあえずローギヤで車の横を走り始めました。さすがはオフ車、新雪さえ踏まなければ足つきコントロールで走行出来、ゆっくりと峠の下まで降りました。その後は車の流れに乗って高松を目指したのですが、時々ハンドルが振られる時があります。おかしいなと思って止まってみると、シャーベット状の雪が所々固まり始めてアイスバーン化し始めていました。時間が経つにつれアイスバーン化し、状況が悪くなるのは必至ですので、覚悟を決めて車のタイヤの後をトレースして乗り切りました。

 まあ、あんまり冬のツアーには行かないことですね。

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