黄色ブドウ球菌と食中毒

   皆さんは黄色ブドウ球菌を食べたことがありますか?、って食べたくないですね、はい。これは自転車で四国単独旅行をしている時のことでした。その年は夏になっても梅雨を引きずっているのか8月になっても天候不順でした。高松から高知そして四国カルストを抜けて八幡浜へ向かうツアーでの出来事です。
 高知県境の無人駅で一夜を明かした時、朝方に炊いたご飯が半分ほど残ってしまいました。まあ昼にでも食べればいいやと思って高知入りしましたが、すっかり忘れてその日はユース泊まりです。翌日四国カルストに向けR33を北上しましたが、昼から雨に会い、柳井川で動きが取れなくなって泊まることにしました。橋の下に少し小高いところがあったので、そこで休んだのですが、夕飯を作れるような場所ではなかったため、先日炊いたご飯の残りを食べてみることにしました。そのとき米が少し糸を引いているのと、甘い味がしたのでやばかったのですが、外は集中豪雨並みの土砂降りになっており、気にかける余裕はありませんでした。
 夜になっても雨は止むどころか強くなり、水かさも増して橋の下が危険になったため、何を思ったのか、お寺に泊めてもらおうと思って走り始めました。ただ、お寺に泊まったのは後にも先にもこの時だけですので、なぜそう思ったのか未だにわかりません。近くのお寺で訳を話すと快く本堂に泊めてくださり、一夜を大仏の前で寝る事となりました。
 さて、夜中の11時を回った頃でしょうか、強烈な腹痛で目がさめた私は大仏の前で腹痛に苦しんでいました。そう、黄色ブドウ球菌にあたったようです。食後3〜5時間で発症ですのでちょうどその頃です。ただ、その時は訳がわからなかったので、そのまま寝てしまっていたように思います。毒が軽かったのか、仏様のご加護か、翌日にはすっかり良くなって、住職にお礼を言って、四国カルストへと登っていきました。後から考えると、よく死ななかったものだと思います。
 それ以来、糸を引く納豆は食べることが出来ません。

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